マレーシア 2010年9月9日(木曜日)
史上2番目の調達規模も:ペトロナス石化事業のIPO計画[化学]
国営石油会社ペトロナスの石油化学事業を集約した、ペトロナス・ケミカル・グループ(PCG)の新規株式公開(IPO)計画が発表された。ペトロナスの石化関連事業22社を統合、製造から販売までを手がける資産規模269億リンギ(約7,300億円)の企業として上場する。IPOによる資金調達額は、携帯通信サービス・マキシスの112億リンギに次ぐ過去2番目の規模になるとの予測も出ている。
PCGは7日、証券委員会(SC)を通じてIPOに向けた初期説明資料を発表した。説明資料では、上場時期や株式発行額、調達規模などの詳細は明らかにされていない。ただ消息筋情報では、調達規模は20億米ドル(約62億5,000万リンギ)を超え、昨年上場して過去最高額を集めたマキシスに次ぐことになりそうだ。また上場時期は年内と予測されている。上場幹事はCIMBグループに決まっている。ドイツ銀香港支店とモルガン・スタンレーも海外販売を担当する。
PCGは東南アジアでも最大規模の総合石油化学メーカーとなる。生産品目はオレフィン、ポリマー、メタノール、肥料などで、年産能力は1,100万トン以上。生産施設はマレー半島東部、ケラティンとグバンに総合石油化学基地を持つほか、肥料・メタノール生産施設がグルンとビントゥル、ラブアンにある。ベトナムのブンタウにもポリ塩化ビニール工場を構えている。
ほかPCGには、BASFやBPケミカルズといったペトロナスの海外企業との合弁事業も組み込まれている。
PCGの2010年3月期決算は、純利益が前年比24.8%減の25億9,400万リンギ、売上高が1.3%減の122億300万リンギだった。売上高の57%が米ドル建てのため、最近のリンギ高傾向も減収減益の一因とみられる。3月末時点での資産総額は268億9,200万リンギ、手持ちの現金資金は74億4,300万リンギとなっている。
地域別の売上高を見ると、国内が最大で、全体の44.8%を占めている。次いで中国の14.2%、アジアのその他の地域が38.4%だった。同社は今後、中国を中心としたアジア・太平洋地域に注力していく方針を示している。
今後の事業発展に向けた計画としては、◇石化事業の統合◇国際市場での販売ネットワーク強化◇生産能力の引き上げ――などを挙げている。販売ネットワークはペトロナスの商社部門ペトロナスMitco(マレーシア・インターナショナル・トレーディング)に集約する考えで、ほか国内外で工場新設や生産能力拡張も検討していく。
■海洋エンジニアリング事業も上場
PCGの上場は、ナジブ首相が3月に新経済モデル(NEM)を発表した際に方針を示していた。ペトロナスへの政府による出資を減らし、活性化を促すことが目的。ただPCGの上場後も、ペトロナスが議決権を持つ大株主の地位を保持するとみられる。PCGに先がけ、ペトロナス系の海洋エンジニアリング企業、マレーシア・マリン・ヘビー・エンジニアリング・ホールディングス(MHB)も上場計画を発表済みだ。8日付中国報、星洲日報、南洋商報などが伝えた。