ベトナム・インドシナ 2010年9月20日(月曜日)
輸入ビール拡大へ?:特別消費税の減税で[食品]
政府が輸入ビールに課す特別消費税(SCT)を次第に引き下げていることから、欧米などからの輸入ビールが徐々に国内で台頭してきている。一方、国内ビール市場は供給過剰で、大量に輸入するのは得策でないとの声も上がっている。ベトナムネットなどが報じた。
輸入ビールにかかる税金は現在3種類で、◇輸入関税=47%◇SCT=45%◇付加価値税(VAT)=10%──。政府はSCTを2009年には75%と設定していたが、現在は45%に下げ、12年には30%まで引き下げる方針だ。
こうした税率の引き下げは、規模は小さいものの、ビール輸入拡大につながっている。ホーチミン市や周辺省市への輸入玄関となっているカットライ港では、今年これまでのビール輸入額が前年同期比55.2%増の28万2,000米ドルとなった。
スーパーマーケットなどの店頭では輸入ビールが多くみられる。ベルギーのレッフェ・ブラウンやレッフェ・ホワイトは、300ミリリットル缶が1本6万6,500ドン(3.4米ドル)と高値で売り出されている。同じくベルギーのフーハーデン(Hoegaarden)は高額所得者の間で人気を博しているとされるほか、ホテルやレストランでは米バドワイザーやメキシコのコロナが人気となっている。
ベトナムへ新たに輸出を検討している外国企業もある。オーストラリアのラッキー・ビール(Lucky Beer)はハノイとダナンでの販売に向けて、地場企業と提携したい考え。生産は中国で行うという。
■ハイネケンが大量輸入?
商工省はこのほど、蘭ハイネケンが申請していたビール65万箱(330ミリリットル缶が24本入り)の輸入を許可した。合計515万リットルで、額にして1,950億ドン(1,000万米ドル)に上る。
ハイネケンによると、輸入するビールはすべてベトナムでの市場調査向けで、販売は行わないとしている。
ただ業界関係者からは、「市場調査を行うには量が多すぎる」と利用目的を疑問視する声が上がったほか、「ハイネケンはすでにベトナムで生産を行っている上、シェアも高く、これだけの量を輸入するのは不公平」と不満の声も聞かれた。
また「250ミリリットルや500ミリリットルの缶ビールなどハイネケンがベトナムで生産していないビールを輸入するなら理解できるが、すでに国内製造している330ミリリットル缶を輸入するのは不可解」との声も上がっている。
■供給過剰か
あるビール会社の幹部は、国内ビール市場は現在供給過剰で、工場はフル稼働していないと説明する。ハイネケンが大量にビールを輸入することは(もし販売目的であれば)市況に合わないとした。
ベトナム・ビア・アルコール飲料協会によれば、国民一人当たりのビール消費量は年28リットルで、ベトナム全体では合計で年240万キロリットルという。
一方、キリンビールが8月に発表したビール生産量の国別統計によると、ベトナムのビール生産量は昨年230万キロリットルで前年比2.8%増加した。統計総局(GSO)によると、今年も生産量は増加しており、今年1〜8月では前年同期比22%増だという。