マレーシア 2010年9月20日(月曜日)
シャアラム・ペナン三水会が交流:日系企業、地域間の関係密に[経済]
日系企業が加盟するスランゴール州のシャアラム三水会とペナン州のペナン三水会が17日、シャアラムで毎年恒例の交流会を開催した。ペナンからも製造業関係者が多数参加して情報交換を行うとともに、プライスウオーターハウスクーパース(PwC)の藤井純一シニア・エグゼクティブ・ダイレクターを招いた講演会では、経済政策動向と今後の見通しに耳を傾けた。
シャアラム三水会は1980年代末に日系企業が業務相談のために集まったのが始まり。「日系企業町内会」として情報交換を行うとともに、マレーシア工業開発庁(MIDA)やスランゴール州投資センター(SSIC)とのつながりも重視し、インフラ改善やリスク軽減に努めている。ペナン三水会も80年代に発足し、ペナン日本人会商工部会の分科会として、労務や経営に関する研究や企業間の親睦を目的に活動している。両会は毎年1回はシャアラムとペナンで交互に交流会を開催し、地域間の情報交換を行う。昨年はペナンに集まっていた。
一行は17日、シャアラムにある日本電気硝子傘下のニッポン・エレクトリック・グラス・マレーシアの工場を見学した後、ホテルで交流会に移った。シャアラム三水会の阿久津晴彦会長(トーヨーケム)と、ペナン三水会の小川廣志会長(S&Oエレクトロニクス・マレーシア)がそれぞれ今年の活動報告を行った後、両地で行った賃金・福利厚生に関する調査結果を報告した。
■経済政策を解説:PwC藤井氏
続いてPwCの藤井氏が、政府の次期経済5カ年計画「第10次マレーシア計画(10MP、2011〜15年)」などについて講演した。年率6%の国内総生産(GDP)と国民所得(GNI)の成長を目指す「チャレンジングな目標」と指摘。政府は民間主導、生産性向上による目標達成を目指し、特にサービス産業に重きを置いていると説明した。電気・電子などの製造分野については、従来型の組み立てだけでなく、研究・開発(R&D)や高付加価値化を積極支援する方針だとし、投資誘致でも規模ではなく中身を重視したサポートを積極化させるとの見通しを示した。再投資控除の延長についても、包括的なインセンティブは期待薄と指摘する一方、政府が重点を置く分野では選択的に延長が認められる可能性が高いとの見方を示した。
政府が掲げる大クアラルンプール圏の開発、ジョホール州の「イスカンダル・マレーシア」をはじめとする5つの地域開発計画に触れ、政府は知識集約型産業への移行を掲げながらも、実際は地方インフラ開発に重点を置いているとも指摘した。
政府は10MPの5年間で2,300億リンギを支出する計画だが、同時に財政赤字・負債を圧縮する方針であることから、10MPには「増税キャンペーン」の役割もあると説明した。物品・サービス税(GST)については、最速で10月の国会で法案成立、18カ月後の2012年明けから導入となるが、総選挙後にずれ込む可能性もあると指摘。来年4月に選挙を実施して安定議席を確保した上で5〜6月に法案を成立させ、2013年から導入するシナリオも考えられると説明した。また、徴税強化の動きの中で日本企業が注意する点として、出張者に対する徴税が強化される可能性があると指摘した。
次に、セコムマレーシアの本多直人ダイレクターが企業の犯罪対策について講演した。製造業では特に内部犯罪対策が重要だと強調。犯行が組織的に、大規模になるのを予防するため、警備員や警備システムを単体で考えず、総合的なマネジメント体制を作ることが大切だと説明した。主な対策として、機械化や自動化を進めて人に依存しない体制を作ること、区画化による出入規制などが重要だと述べた。