タイ 2010年9月20日(月曜日)
環境ビジネス、タイに商機:日本企業12社、展示会出展[経済]
15〜18日にバンコク郊外バンナーのバンコク・インターナショナル・トレード&エキシビション・センター(BITEC)で、環境・エネルギー総合展「エンテック・ポリューテック(Entech Pollutec)・アジア2010」が開催された。出展企業は約100社。日本貿易振興機構(ジェトロ)が設置したジャパンブースには9社、また経済産業省近畿経済産業局のブースには3社、合わせて12社の日本企業が出展し、日本のリサイクル・省エネ技術の高さに来場者の注目が集まった。【吉岡由夏】
出展した日本企業は、東南アジアでの販売はこれからというところが多く、展示会出展を機に足がかりをつかもうとの意気込みが感じられた。
大和化学工業(大阪市大正区)は、同社が開発した廃水・廃液の減圧脱水乾燥装置「減」シリーズを紹介した。専務取締役の志水俊也氏によると、反響が良く、展示会開催中に20件以上の装置試験の予約が入り、東部チョンブリ県にある試験場で順次テストを行うという。「これらが契約につながり、来年は3〜5台販売できれば」(同氏)と期待する。
同社は、近畿経産局が重点的に環境協力している中国とタイで、販路開拓を図る計画で、今年12月〜来年1月にタイに営業拠点を設置する予定。バンコク近郊の日系企業を中心に販売を広げたい考えだ。また中国では来月に香港、来年初めに広東省深セン、さらにその後は蘇州と、3拠点を設ける予定という。
同じく近畿経産局の後押しで中国とタイを中心に海外事業を積極的に展開しようとしているのがリマテック(大阪府岸和田市)だ。廃油・油泥などの産業廃棄物をセメント会社向け補助燃料(RF)に処理再生するRFプラントで知られ、日本でこの種の燃料の納入量でトップという。企画営業部の三嶋大介氏によると、今回の出展は2回目で、地元セメント業界との商談も行った。海外へは、プラント設備の輸出ではなく、産業廃棄物の調査、プラン提案、設計などを含むノウハウのライセンシングを計画している。
熊本清掃社(熊本市)は食品廃棄物を太陽熱で発酵させ、有機肥料として再生させる「食品リサイクル」企業。廃棄物の焼却炉と比べると、コストは10分の1で済み、熊本市、名古屋市で採用されている。総務課長の井上雅弘氏によると、有機肥料の需要は海外で高まっており、製造した肥料の一部を韓国、中国、台湾に輸出している。今後はリサイクル施設の海外輸出も始める計画で、タイでの展示会に参加した。開催中に行政関係者らの見学もあり、バンコク都などに売り込みを図りたい考えだ。
■工場の省エネに
省エネ技術では、帝人エンジニアリング(大阪市中央区)が、既設エアコンの室外機に後付けするコンデンサー「テルコン」を紹介した。冷媒によって冷房能力が最大30%向上し、消費電力が最大25%削減されるだけでなく、耐用年数も伸びるという。NI帝人商事(タイランド)の松田宜応副本部長によると、日本と一部海外(中国、フィリピン、インドネシア)で販売実績があるがタイはまだ。窓に張る熱線反射・断熱フィルム「レフテル」とセットで、省エネ効果をアピールし、オフィスビルや工場などに販売を広げていきたい考えだ。
食品冷却・空調技術の前川製作所(東京・江東)の現地法人、マエカワ(タイランド)は従来より20%の省エネが可能な冷凍装置「NewTon3000」と、二酸化炭素冷媒を用いた業務用エコキュートを紹介した。高橋繁社長によると、どちらも2008年に発売し、すでに日本では各100台販売したが、タイでは市場調査中という。前者は食品・冷蔵倉庫向け、後者はホテル、ゴルフ場、工場などへの供給を検討している。
同社はバンコク東郊サムットプラカン県に営業拠点、南部トラン県にサービス拠点がある。前川製作所はタイのほか、東南アジアではマレーシア、シンガポール、フィリピン、インドネシア、ベトナムに営業拠点がある。
■アマタナコンに注目
展示会に出展した12社のうち10社は関西企業だった。近畿経産局はジェトロなどと連携して設立した「関西・アジア環境・省エネビジネス交流推進フォーラム」を通じて、関西の環境関連企業のアジア展開に力を入れており、展示会出展もその一環だ。
近畿経産局は14日、チョンブリ県アマタナコン工業団地でエコタウンに関する事業化調査(FS)を実施することでタイ工業省、同工業団地を運営するアマタ・コーポレーション(AMATA)と覚書を交わした。同局環境・リサイクル課の森下剛志氏によると、アマタナコン工業団地の日系企業にエコタウンに対する理解を深めてもらうため、20日にセミナーを開く。FSは来年3月末までに結果を出す予定という。
エコタウンは、産業廃棄物を新たにほかの分野の原料として活用し、あらゆる廃棄物をゼロにする「ゼロ・エミッション」を実現するもので、日本企業のリサイクル・省エネ技術がアマタナコンで活用される可能性が広がった。