マレーシア 2010年9月21日(火曜日)
三菱東京UFJ、人民元取扱い:マ・中の為替自由化で、潜在性に期待[金融]
マレーシア三菱東京UFJ銀行は20日、中国人民元の取り扱いを開始した。中国とマレーシアが相次いで自国通貨の為替規制を緩和したことを受けたもので、中国から部品を仕入れる現地日系メーカーなどは、リンギと人民元の現地通貨間で貿易・サービスの直接決済が可能になる。今後さらに自由化が進むのは確実で、円や米ドルを介在させる従来型の取引から移行が進んでいく見通しだ。
同行の担当者がNNAに対し「中国はマレーシアにとって最大の貿易相手国で、両国間でモノとカネが動いている。為替規制自由化の流れも止まることはなく、潜在的なニーズは大きい」と説明した。マレーシア政府は中国の外国為替規制の緩和に歩調を合わせており、「今後も中国を追う形で為替規制の自由化を進める」とみている。現状では直接決済に際して書類手続きなど実務上の負担は残るものの、自由化の流れの中で解消されていく見通しだ。
中国は従来から東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国などとの貿易の人民元決済を認めていた。今年8月18日にはマレーシア中央銀行が貿易決済通貨を自由化。両国の規制緩和で、マレーシア・中国間の貿易決済を双方の現地通貨建てで行うことが可能になった。マレーシア、中国とも自国通貨のオフショア取引は認めていないため、三菱東京UFJは両国に持つ現地法人を生かして両国の顧客とそれぞれの現地通貨建てで取引する形をとり、実際の通貨の国際間の移動はない。中国側の取引相手には地域などの限定条件が付く。両方に工場を持ち、部品の取引などをしている日系メーカーの利用を想定している。
中国が今年6月に貿易の人民元決済の対象地域を世界に広げたことを受け、三菱東京UFJ銀行は日本で9月13日から人民元の取り扱いを開始。外国為替相場一覧表の中で、人民元相場の公表も始めている。日本ですでに30件近い決済を手がけたほか、シンガポールでも取り扱い実績がある。マレーシアでの取引開始もこの流れに沿ったもの。なお中国は為替予約を認めていないため、実際の取引は当日物で行うことになる。
■日本との取引も便利に
マレーシアがリンギ建て貿易決済を条件付で認めたことで、メーカーが日本などから部品などを仕入れる際の利便性も増すことになる。従来は米ドルや日本円建てで決済していたため、マレーシアの現地法人がリンギの為替変動リスクを負い、為替予約などを行っていた。リンギ建てで決済が認められたことで「従来は現地法人が負っていた為替リスクを、海外の本社などでも負えるようになった」。ただし、海外からはマレーシア国内の銀行と取引するなどの条件が付く。