フィリピン 2010年9月21日(火曜日)
官民連携、優先事業は10件:都市鉄道延伸を最重視[建設]
アキノ政権の経済閣僚が先週、マラカニアン宮殿(大統領府)や訪問先のセブ、ダバオで経済界関係者と会合した際に、インフラ整備を目的とした官民パートナーシップ(PPP)事業の優先事業10案件(1,278億ペソ=2,483億円相当)を発表していたことが分かった。マニラ首都圏のLRT(軽量高架鉄道)延伸を筆頭に、空港、高速道路の整備などが挙がっている。また、PPP事業に参加する民間企業を対象に、リスク補償を目的とする保険の導入も視野に入れているもようだ。20日付各紙が伝えた。
政府は、優先事業83案件(7,397億8,000万ペソ相当)のうち、来年に着手を予定する最優先事業10案件を選定。これらの最優先事業は、◆LRT1号線の首都圏パサイ市バクララン駅からカビテ州バコールまでの延伸事業(事業費700億ペソ)◆LRT2号線の首都圏パシッグ市サントラン駅〜リサール州アンティポロ市マシナグまでの延伸事業(同112億9,900万ペソ)◆中部ビサヤ地方ボホール州パングラオ島の国際空港建設(同75億4,300万ペソ)◆クラーク自由港のディオスダド・マカパガル国際空港(DMIA)のシティ・ターミナル建設(事業費未定)◆北部ミンダナオ地方ミサミスオリエンタル州のラギンディンガン空港の民営化(同)◆パラワン島プエルトプリンセサ空港の改修事業(同43億6,200万ペソ)◆南部ルソン高速道路(SLEX)と北部ルソン高速道路(NLEX)の連結事業(同210億ペソ)◆カビテ〜ラグナ高速道路の敷設(同105億ペソ)◆首都圏の配水網整備(事業費未定)◆ビコール地方アルバイ州ダラガの国際空港建設(同30億7,500万ペソ)――としている。
■「保険は必要」=NEDA長官
政府はまた、インフラ整備を目的としたPPP事業に参加する民間企業を対象にした保険の導入計画を明らかにした。PPP事業の投資に伴うリスクを除くことを狙いとしている。
関係閣僚らは、最高裁判所が、首都圏のニノイ・アキノ・国際空港第3ターミナルの建設の完工直前に、元の空港契約母体であるフィリピン・インターナショナル・エア・ターミナルズ(PIATCO)の建設・運営・譲渡(BOT)契約を無効とする判決を下したことや、南部ルソン高速道路(SLEX)の通行料金277%値上げについて、10日間の実施凍結を命じる仮差し止め命令(TRO)を出したことに言及。国家経済開発庁(NEDA)のパデランガ長官は、「PPP事業への参加を希望する一部の民間企業は、このようなリスクから自社を守るための保険を必要としている」と説明した。政府が提案する保険の形式は、希望する民間企業が掛け金を支払う形になるという。
■PPP成功なら比格上げ?
国際金融大手の米シティグループは、PPP事業が成功した場合、フィリピンの投資格付けが上昇する可能性を示唆している。
シティグループのエコノミスト、ジュン・トリニダッド氏は、来年度予算案が、貧困層向けの社会福祉サービスに焦点を当てて編成されていることや、PPP事業で大規模なインフラ事業が計画されていることに言及した上で、「現在、実質国内総生産(GDP)の17%と、域内最低水準に落ち込んでいる投資が増えることにより、歳入増加や雇用機会創出が見込まれる」との見解を示した。