タイ 2010年9月21日(火曜日)
Mazda2好調、さらに上を:マツダセールス社長インタビュー[車両]
昨年11月と今年3月に相次いで、タイ産の小型車「Mazda2」のハッチバックタイプとセダンタイプを投入し、販売を伸ばしているマツダ。発売から8月までの累計販売台数は、ハッチバックが1万822台、セダンが7,403台と好調だ。今年6月に4年ぶりの日本人社長として就任したマツダ・セールス(タイランド)の柚木長一社長にこのほど話を聞いた。【濱田祐梨子】
「Mazda2のハッチバックタイプ、セダンタイプともに販売が好調ですが、今年の販売戦略を教えて下さい」
自動車の販売は、モーターショーがある毎年3〜4月、11〜12月に最も伸びる。逆に言えば、それ以外の期間で特に雨期は販売が落ち込む。その期間中の対策として、今年はMazda2のターゲット層とする若者向けの販売促進に、大学キャンパスなどでのイベントを実施。ほか毎年開催している「M―デイ」のキャンペーンでは、購入時の頭金の額を10%に引き下げるほか、1.79%の低金利を提供するなどして販売増を図る。今年はキャンペーン期間中(9月9日〜19日)に3,000台の販売を目指す。
「Mazda2、小型車「Mazda3」(日本名「アクセラ」、タイではフィリピンから輸入販売)ともにシティーカー、スポーツカーのイメージですが、地方での販売状況を教えて下さい。またディーラー107店は都内を中心に展開されていますか」
地方でもチョンブリ、チェンマイ、プーケット、コラートなどの都心部で、サラリーマン、若者を中心に販売が好調だ。都内の店舗数が多いが、地方もほとんどの県をカバーしている。年内に120店まで増やす計画だ。
「一部の地元紙で、マツダと米フォード・モーターの合弁会社オートアライアンス・タイランド(AAT)の工場で、Mazda2と1トンピックアップトラック「BT―50」の増産に向けて、フォード側と交渉中との報道がありますが事実でしょうか。またMazda2の現在の生産状況を教えて下さい」
フォード側との交渉ではなく、あくまでAATの工場として、残業などによる増産を検討していることは事実。Mazda2の生産台数は、上半期(1〜6月)に2万4,000台だった。下半期は2万5,000台以上を見込んでいる。生産台数のうち、タイ国内での販売は4割で、残りをオーストラリア、東南アジア諸国連合(ASEAN)、中南米、中近東などに輸出している。
「AATでのBT―50の生産開始は1998年と10年以上前ですが、乗用車の生産は昨年10月に開始されたばかりです。これはマツダが、タイでの乗用車生産・販売を重視してこなかったからですか」
確かにタイ国内では、ピックアップトラックの需要が高い(特に過去は高かった)という事実もあるが、重視してこなかったわけではない。タイに乗用車工場を設けるためには、国内市場だけでなく、輸出先市場での需要も必要となる。5年ほど前からタイでの乗用車生産に向けて、国内外での市場調査を実施し、昨年の生産開始に至った。
「フォードが先に、年産15万台の新工場をタイに建設し、2012年に稼働を開始する計画を明らかにしていますが、フィリピンでのマツダ車(Mazda3、多目的スポーツ車(SUV)「トリビュート」)の生産は、タイに移管されるのでしょうか」
現時点では、可能性は高いと思う。
「マツダは先月、AATのピックアップトラック工場への総額3億5,000万米ドルの投資を発表されましたが、詳細を教えて下さい。またBT―50の販売・輸出状況、特に国内販売は、ほかの日系メーカーに比べ、販売台数が低いですが、今後の戦略を教えて下さい。(※マツダは来月15〜24日にオーストラリア・シドニーで開催される2010年オーストラリア国際自動車ショーで、BT―50の次世代モデル発表を明らかにしている)」
工場への投資は、BT―50の次世代モデル生産のため工場内の設備更新などを行うもの。BT―50のタイ国内での販売は、生産台数全体の2割程度。残りは豪州、ASEAN各国、欧州、南米、中近東に輸出している。特に豪州、チリ、インドネシアへの輸出が多い。タイ国内での販売は、トラック部門でも乗用車同様、スポーティーさを売りにマツダのブランド定着強化を図る。
「8月にMazda3のマイナーチェンジモデルを投入されましたが、年内に新しく投入予定のモデルはありますか」
顧客にマツダ車の目新しさをアピールするため、第4四半期に既存モデルの限定車、特別仕様車の投入を予定している。
「現在、高級クロスオーバーSUV(スポーツ多目的車)「CX―9」とスポーツカー「MX−5(日本名ロードスター)」を日本から輸入販売されていますが、今後、新たに輸入を開始するモデルはありますか」
検討中だ。日本からの輸入には高い関税がかかる上、1モデルの宣伝にかかるコスト面、販売後のアフターサービス体制などを考慮し、慎重に検討する。
「今後の抱負を教えて下さい」
ブランドイメージの強化、アフターサービス改善などで顧客の満足度を上げ、企業として成長し、さらに上を目指したい。