オーストラリア 2010年9月23日(木曜日)
炭素税導入案は賛否両論:BHPのCEO発言に波紋[資源]
鉄鉱石採鉱大手フォーテスキュー・メタルズ・グループ(FMG)のフォレスト最高経営責任者(CEO)はこのほど、資源大手BHPビリトンのクロッパーズCEOが提案した炭素税の導入について、積極的ではないものの支持する意向を示した。シドニーで開催されたイスラエル商工会議所の昼食会でコメントした。22日付シドニー・モーニング・ヘラルドが伝えた。
BHPのクロッパーズCEOは先ごろ、「温室効果ガスの排出を抑えるためには、段階的に複数の政策を導入すべきだ」と指摘。連邦政府の炭素汚染削減計画(CPRS)に関し、排出権取引制度(ETS)だけでなく炭素税や個別の賦課制度など、幅広い方法を検討する必要があると主張した。
フォレストCEOは、クロッパーズCEOが政府に対して早急な対応を求めたのに対し、「導入前にほかの方法も十分に検討してほしい」と指摘。ETSの導入が望ましいとの意見を持っているが、炭素税の導入を支持していく方針だという。
ただ、フォレストCEOは、二酸化炭素(CO2)の地下貯留に関する研究を進めるべきとする野党・保守連合(自由党、国民党)の主張を支持している。この方法は、ほかの多くの国で機能しなかったことが判明しているが、「豪州の一部では土壌の炭素含有率が低いため、機能する可能性がある」と説明。その土地にあった手段で、制度構築をしていくことが望ましいとの見方も示した。
■TRUは懐疑的
一方、炭素税の導入に対して、香港系中電控股(CLP)の豪子会社TRUエナジーのマキンドー社長は懐疑的だ。
マキンドー社長は、「炭素税の導入は非効率的のみならず、導入を嫌気した投資家が資源業界への投資を縮小しかねない」と反発。「ETS導入が最もコストがかからない」として、炭素税導入案に対抗していくという。
資源業界の中では、BHPのクロッパーズCEOが自ら炭素税の導入を提案したことについて、「自己利益を優先した行動」、「非常に賢明な策士」との声も出ている。
ただ、温室効果ガス問題については、削減に向けて世界的な取り組みが求められている。豪州も早期に何らかの政策を施行する必要に迫られているのは確かだ。連邦政府による最終決定までは時間がかかる見通しだが、企業利益に影響する問題だけに各社が今後の動向に注目している。