ベトナム・インドシナ  2010年9月28日(火曜日)
ズンクアット製油所拡張に国債:財務省、ビナシン救済にも[経済]

財務省は23日、国営ベトナム石油ガスグループ(ペトロベトナム)の中部クアンガイ省ズンクアット製油所案件の10億米ドルの資金調達計画を承認したことを明らかにした。ベトナム政府が今年1月に海外で調達した10億米ドル国債のうち7億米ドルを充てるほか、外国銀行から3億米ドルの融資を受ける。 国債の残り3億米ドルは多額の負債を抱える国営ベトナム造船グループ(ビナシン)の債務返済に充てる。

ズンクアット製油所はすでに完成しており、原油の年産処理能力を650万トンから1,000万トンへ引き上げる拡張計画に資金は充てられるようだ。24日付ベトナム国営通信(VNA)によると、政策金融のベトナム開発銀行(VDB)が引き受け、国債の7億米ドルと仏BNPパリバの融資3億米ドルがペトロベトナムに供与される。

国債は今年1月にベトナム政府が、シティグループなどを引き受け幹事として完売した。年利6.75%で、償還は10年。これをペトロベトナムはVDBに対し、償還期間16年で固定金利3.6%、据え置き期間4年で返済する。

■信用回復は

財務省は23日、財務省通達114号(114/2010/TT─BTC)を通達し、ペトロベトナムに融資の返済を最優先で行うよう求めた。返済期限に遅延した場合、ペトロベトナムへの一切の貸付が凍結される。

ペトロベトナムによる返済が不可能な場合には、公的資金による返済が行われるという。ビナシンで国営企業のイメージが失墜しただけにペトロベトナムで信用回復を図りたい考えのようだ。

政府は2005年10月、10年物の米ドル建て国債を発行し、調達した7億5,000万米ドルをビナシン向け融資の原資とした。国債の海外発行2回目は今年1月の10億米ドルで、今回のズンクアット製油所拡張とビナシン向けとなる。3億米ドルはビナシンの債権者で経営不振にあえぐ仏ナティクシス銀行への返済に充てるという。国債はエネルギー・インフラ向けのはずだったが、ビナシンの返済に充てるベトナム政府の判断は今後、大きな議論や市場のベトナム不信を呼びそうだ。

乱脈・同族・多角化経営で40億米ドル以上の負債がクローズアップされたビナシンだけが国営大手で問題だったとしたいベトナム政府。だが、ペトロベトナムやベトナム航空など他の国営企業の財務の不透明さを改めて懸念する関係者もいる。

なお、ベトナム政府は今年7月、国営ベトナム電力グループ(EVN)に対して、10億米ドルのドル建て海外社債を発行することを原則承認したが、国債としての資金調達は認めなかった。

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