ベトナム・インドシナ  2010年9月29日(水曜日)
ジャパンICTデー開催(前):日越IT業界が提携強化へ[IT]

情報通信技術(ICT)業界における日越企業間の情報交換や業務提携を促進する「ジャパンICTデー2010」が27〜28日、ホーチミン市12区のクアンチュン・ソフトウェアパーク(QTSC)で開催された。ベトナムのICT業界の概要や課題、政府が掲げる今後の目標などが示されたほか、両国企業の商品・サービスの紹介や、業務提携のきっかけとなるビジネスマッチングなどが行われた。



ジャパンICTデーは2007年から毎年開催されており今回が4回目。ホーチミン市で開催するのは今回が初めてで、ベトナム・ソフトウェア協会(Vinasa)とVinasa日本IT協力クラブ(VJC)が共催し、ベトナム情報通信省、日本貿易振興機構(ジェトロ)、社団法人情報サービス産業協会(JISA)などが後援した。

Vinasaのファム・タン・コン事務局長によると、27日のセミナーに出席した日系企業はNEC、NTTグループの合弁グローバル・データ・サービス(GDS)、サイボウズなど約50社という。会場には地場企業の関係者ら合わせて約120人が集まった。

■IT業界は最大の成長分野

情報通信省情報技術局のグエン・タイン・チュエン副局長は講演で、ベトナムの情報技術(IT)業界の現状を紹介し、IT業界がこの10年で最も成長した産業と強調した。10年間の成長率は年平均で20%を超えたとし、2008年以降の世界同時不況下での成長率は、他の産業では年6〜7%に落ち込んだのに対し、IT業界は約19%の成長を遂げたと述べた。

IT業界の売上高は2009年に62億5,000万米ドル(前年比19.7%増)で、内訳は◇ハードウェア=46億8,000万米ドル(同14.1%増)◇ソフトウェア=8億8,000万米ドル(25.0%増)◇デジタルコンテンツ=6億9,000万米ドル(56.8%増)──。規模が突出して高いハードウェア業界は、09年は00年に比べ売上高が8倍に成長。現在は成長の中心がソフトウェアやコンテンツにシフトしている。

■越としての課題は人材

チュエン副局長は、ベトナムのIT業界の課題の一つとして「優秀な人材の不足」を挙げたが、人材が育ちにくい産業構造に問題があることを示唆した。

同副局長は、◇ハードウェア業界は規模は大きいものの多くは輸入部材を組み立てる単純作業◇ハードウェア、ソフトウェア業界ともに研究開発(R&D)やトレーニングへの投資が小規模◇デジタルコンテンツに特化した専門企業がほぼ皆無(他国コンテンツの流用ばかり)──など労働による付加価値が少なく、人材が育ちにくい環境が業界に介在するとした。

また、政府がオープンソースの利用促進に向けて企業の開発を支援する方針を打ち出しているにもかかわらず、同分野への投資が極めて少なく発展が乏しいことも挙げた。

■中期目標は

同副局長によると、ベトナムのIT業界は今後5年間で主に、◇人材育成◇企業育成◇オリジナル製品の創出◇市場拡大(オリジナル製品の輸出)◇投資拡大──に注力するという。

15年までの具体的な目標の一部には、◇外国語に精通した技術力の高いエンジニア5万人の育成◇年商20億米ドルのハードウェア製造企業、同2億米ドルのソフトウェア開発企業、同5億米ドルのコンテンツ配信企業を各2社立ち上げ◇政府機関でのオープンソース化(一部)◇IT業界向けの外国直接投資(FDI)を年50億米ドルへ拡大──などを挙げた。

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