台湾  2011/05/04(水曜日)
アマゾンがタブレット参入:広達が受注、月80万台出荷[IT]

米アマゾン・ドット・コムがタブレット端末市場に参入する。これまで電子書籍端末「キンドル」を販売してきたが、保有するコンテンツやプラットホームを生かして米アップルの「iPad(アイパッド)」の対抗軸を築く。電子書籍市場がタブレット端末に崩されていることも背景にあるようだ。製造は、ノートPC受託製造世界最大手の広達電脳(クォンタ)が担う。

3日付工商時報、電子時報は部品業者の話として、アマゾンのタブレット端末の出荷が下半期から始まると伝えた。製造を担うと指摘されている広達は「個別の顧客についてはコメントしない」とのみ述べた。

広達は、タブレット端末でソニーやカナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)からの受注に加え、聯想(レノボ)とも受託製造に向けて接触しているという。アマゾンへの供給がこれらに加われば、鴻海精密工業に侵食されたり、需要の伸びが鈍っているノートPCでの失地回復につながると期待されている。

アマゾンはキンドル向けに電子ペーパーを供給する元太科技工業(イーインク)の技術をタブレット端末に生かす。元太の韓国子会社、ハイディスが太陽光の下でも広視野角を保つ「FSS(フリンジ・フィールド・スイッチング)技術」を保有しており、元太は台湾の中小型液晶パネルメーカーとこの技術を導入した生産ラインを広達に振り向けることで協議している。

タブレット端末の出荷は下半期からで、来年上半期には月平均80万台ペースを計画。アマゾンはインターネット通販の豊富なノウハウや膨大な書籍データベースといったコンテンツを武器に、iPadとそのコンテンツ提供元であるアップルストア、さらに世界各社が発売する同端末に対抗する。

一方で、アマゾンはキンドルの販売も好調さを持続している。ただし、市場が北米や欧州と地理的に限られているため、販売価格を継続して下げることを検討。教育用途やコンシューマエレクトロニクス市場でさらに地位を高める考えだ。

■中国の電子ブックバブル崩壊

アマゾンがタブレット端末に乗り出す背景には、電子書籍市場が一部で侵食されている事情もあるようだ。

その代表的な例は中国で、3日付工商時報によると、タブレット市場ではすでにiPadがシェア8割を確保。特に初代iPadは、電子書籍端末・配信最大手の漢王科技(ハンボン)の電子書籍端末「N800」よりも2割近く安い2,800人民元(約3万5,000円)。今年第1四半期の中国の電子書籍端末市場規模は30万台余りにとどまり、昨年第4四半期から4.3%のマイナス成長だった。

中国で6日発売予定のiPad2は約3,700人民元になると伝えられているが、N800との値差は8%と大きくなく、もはや電子書籍端末の成長余地は限られているとの見方が出ている。漢王は第1四半期に最大5,000万人民元の赤字を計上する見通し。中国の電子書籍端末メーカーは一時100社ほどが乱立していたが、すでに20社に減ったとも伝えられており、バブルが崩壊したとの見方が広がっている。

■iPad出荷、1.5倍の700万台

一方、iPadの部品業者によると、今四半期の出荷は少なくとも前期(469万台)の1.5倍の700万台はくだらないという。東日本大震災でサプライチェーンの寸断が懸念されていたが、アップルは700万台以上の出荷を想定。3月下旬に発売されたiPad2を待っていたファンが今四半期に購入すれば、ほぼ2倍の900万台に届く可能性もあると業者はみている。日本や香港でもはすでに発売されており、台湾では6月に発売される予定だ。

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