香港  2011/11/22(火曜日)
アジアの知財取引ハブ化に光:米機関が有力視、TDCも動く[経済]

香港がアジアの知的財産権取引センターになる可能性が浮上してきた。米シカゴの知的財産権取引所(IPXI)は、年内に欧州およびアジアの各1都市と提携してグローバル知財取引網を構築する計画で、アジアでは香港が極めて有力となっているもよう。香港貿易発展局(HKTDC)も知財取引センター化をにらみ、香港取引所(HKEX)とともに、特許の価値と連動した金融指数の創設を検討しているという。ただ、深セン市もアジアの知財取引センター化を視野に入れた動きをみせているもようで、今後の動きが注目される。21日付信報、サウスチャイナ・モーニングポストが伝えた。

グローバル知財取引網構想は、IPXIのジェームズ・マラコウスキ会長が「年末に行う予定の重大発表」として明らかにしたもの。現在はIPXIが世界で唯一の本格的な知財取引所となっている現状を打破し、世界的な知財取引システムを確立することが狙いだ。

アジアでは香港のほか、東京、シンガポール、上海といった都市が、知財取引センターの地位確保に動いているとされる。マラコウスキ会長は各候補都市について、◆東京は開放度と意欲が足りない◆シンガポールは中国本土市場のような支援材料を持たない◆上海は法制の改善がまだ必要――と指摘。候補の中で香港だけが必要な条件を備えているとの見方を示した。欧州はパリが最も有力としている。

■「優位性」を強調

特許や著作権、商標権などの知財の取引について、香港はアジアで中心的な地位を築いていく方針だ。本土での需要拡大を背景に、情報技術(IT)を活用したプラットホームの構築などを通じて、取引の活発化を図りたい考え。HKTDCとHKEXは、特許連動型の金融指数創設に向けたベンチャーキャピタルの開設について協議を行っている。

HKTDCの葉沢恩(レイモンド・イップ)総裁補は、取引を1対1から多対多の関係に拡大することが目的と説明。知財の取引に関しては、シンガポールも拡大に力を入れているが、本土との地理的な近さのほか、金融・貿易の中心地としての地位、強固な司法システムが構築されている点で、香港には強みがあると自信をみせている。

来月2日には、HKTDCが主催するイベント「知的財産権ビジネス・アジアフォーラム」が、湾仔の香港コンベンション&エキシビジョンセンター(HKCEC)で開催予定だ。

ただ、アジアの知財取引センター化を目的とした特許連動型の金融指数は、深セン市も開発を目指している。この開発は、シカゴのマーチャント・バンクであるオーシャン・トモが支援。オーシャン・トモは現在、世界で唯一の同種の金融指数とされるオーシャン・トモ300特許指数を算出しており、しかもIPXIのマラコウスキ会長が最高経営責任者(CEO)を務めている。

「香港はフロントランナーのひとつ」と強調するマラコウスキ会長だが、一方で深センの特許連動型金融指数開発が間もなく完了するだろうとの見通しも示しており、この方面では深センが香港に先行する可能性もありそうだ。

■特許出願大国化した中国

中国(本土)は模倣品大国として知られているが、ここ数年は特許出願件数も大幅な伸びを見せている。2008〜10年には75万件余りの出願があり、米国を抜いて、世界最大の特許出願国の地位を築いた。

また、本土の業者が昨年1年間に技術関係の特許の使用権取得にかけた費用は、256億米ドル(約2兆円)に達している。

ただ、知財が保護された商品の購入額は1人当たり2.3米ドルと、香港の30米ドル、米国の100米ドルとは大きな開きがあるのが実情で、知財の取引には、今後も十分な拡大の余地があるとみられている。

中国許可証貿易工作者協会・香港分会(LESC―HK)の顔文慧(アリス・ガン)会長は、知財は保護すべき対象であると同時に、取引可能な資産でもあるとの認識を示した。<香港>

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