シンガポール 2012年1月6日(金曜日)
隣国と経済協力強化で合意、リー首相[経済]
マレーシアを訪問したリー・シェンロン首相は5日、同国のナジブ首相と会談し、経済・貿易交流を強化することで一致した。またマレーシア・ジョホール州南部イスカンダル・マレーシア(イスカンダル開発地域=IRD)についても、産業分野の提携促進を図る新作業部会を設立することで意見が一致した。
両国が今後経済関係深化を図れる分野としては、▽航空サービス業界の活性化▽両国間の無線周波数の調整▽高等教育の提携――などが挙がった。航空サービスではチャンギ空港と同州セナイ空港が提携を強化することで、航空、観光業界を中心に両国企業への経済波及効果が期待できるとしている。またデジタル放送、携帯ブロードバンドの需要拡大を受け、無線周波数を両国間で調整して域内ローミングやデジタルテレビ放送サービスの改善を進める。教育分野では、シンガポールの民間教育機関によるIRDへの進出を促す。
IRDについては、両国が設立した合同閣僚委員会(JMC)の下で新作業部会を設立することで合意。両国企業の相互利益確保を促進する。またJMCが両国間を結ぶ水上タクシーの導入を検討することも明らかにした。
IRDは順調に開発が進められており、観光面では環境を意識したエコツーリズムの商品化に向けて共同調査を終えている。IRD地域の河川清掃でも知識・技術の共有を進めており、環境保護計画を共同で策定した。
■電力輸入も検討
両首脳は5日、会談の中でシンガポールがマレーシアから電力を購入する可能性について話し合った。5日付ストレーツ・タイムズ(電子版)などが伝えた。
リー首相によると、シンガポールは電力輸入に非常に前向きで、購入価格など条件が折り合えば時期を見て開始したい考え。具体的な輸入の枠組み作りも進めているという。
このほか不動産大手キャピタランドは同日、マレーシアの完全子会社キャピタランド・アスコット・プロジェクト・マネジメントがIRDのメディニ・ノース地区でサービスアパートや健康促進センター、研修センターなどの建設を受注したと発表。発注元は政府系投資会社テマセク・ホールディングとマレーシア政府系投資会社カザナ・ナショナルが折半出資で設立したプラウ・インダ・ベンチャーズ。テマセクはキャピタランドの主要株主として同社株40.4%を保有している。