オーストラリア  2012年2月6日(月曜日)
東部2州の洪水被害拡大:日系の石炭事業にも波及[経済]

ニューサウスウェールズ(NSW)州北部とクイーンズランド(QLD)州南部での洪水災害が拡大している。ここ60年で最大の洪水に見舞われたNSW州のモリー(Moree)では過去2週間の大雨により、メヒ(Mehi)川の水位が上昇し、約1万人が孤立したままとなっている。洪水はこのほか、農業や、日系も絡む石炭産業にも影響を及ぼしているもようだ。連邦政府は、各地の警察や軍、救急サービス(SES)などに被災地救済を通達している。4日付地元各紙が伝えた。

NSW州北部とQLD州南部では、今月最初の3日間で、2月の平均降水量を超える雨が観測された。モリーでは、3日午後3時時点で、2月平均の68ミリを超える173.4ミリ、QLD州南部内陸のセントジョージでは、同61ミリを超える184.6ミリの降水量をそれぞれ記録している。

■コットン産業に被害

モリー地区を流れるメヒ川の水位は3日午前10時時点で、1955年2月以来最高となる10.69メートルに達した。川に架かる主要な橋4本はすでに封鎖されている。メヒ川の水位上昇により、同地区東部のビニガイ(Biniguy)でも2,000人以上が孤立。またモリー南部のウィーワーン(Wee Waa)では、ナモイ(Namoi)川の水位が3日午前7時半時点で7.3メートルに達し、約6,000人が孤立している。NSW州全体の被災地は計16地区に上る。

モリー地区では、農業への被害も確認されている。コットン農家のディック・エステス氏は、昨年11月からの大雨により、コットンを栽培する農地50ヘクタールが被害を受け、被害額は30万豪ドルに上っているとコメント。農家では、豪ドル高などですでに苦しい事業環境にある中、さらなるダメージに肩を落としている。

ブリスベーンから内陸へ590キロの位置にあるミッチェル(Mitchell)では、マラノア(Maranoa)川の水位が10メートルに達し、過去45年で最もひどい被害に見舞われた。同地区では約300人が施設に避難している。またミッチェルの東部にあるローマ(Roma)では、女性1人が行方不明になっており、ヘリコプターによる捜索活動が行われているという。同州のブライ首相は、連邦政府に対して財政支援と空軍による救出支援を要請したことを明らかにしている。

■日系の石炭事業も影響か

大雨の影響はQLD州の石炭産業にも波及しているもようだ。資源大手リオ・ティントのチャンピオン常務取締役は3日、「毎年この時期は、QLD州の石炭産業にとって試練の時期となる」とコメント。QLD、NSW2州での石炭事業が大雨によりたびたび被害を受けている状況を述べた。

4日付オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューによると、このほかに、QLD州営鉄道QLDレール傘下の石炭・貨物鉄道網部門QRナショナルでも、州中央部での運行に支障が出ているほか、日系では、双日が出資するミネルバ炭鉱や、住友商事とエクストラータなどの合弁によるロレストン炭鉱でも洪水の影響が出ているとみられる。

[P  R]

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