オーストラリア 2012年2月23日(木曜日)
屋外での禁煙条例導入へ:NSW州、数カ月内に[医薬]
ニューサウスウェールズ(NSW)州では今後数カ月以内に、バス停やタクシー乗り場、運動場や競技場、プール、ビルの入り口といった公共の場での喫煙を禁止する条例を導入する。ただし与党保守連合(自由党・国民党)は、選挙時の公約に従い、レストランやバーなどの屋外部分に関しては2015年まで導入を遅らせる方針を示している。
■一部ビーチでも禁煙
22日付シドニー・モーニング・ヘラルドなどが報じたところによると、新たな禁煙法では、ビルの入り口から4メートル以内での喫煙が禁止される。個人の住宅やビーチは禁煙区域から除外されるものの、一部の自治体は独自でビーチでの禁煙範囲を決定する予定だ。また、各地域の保健局は、病院の敷地内での喫煙行為に対し、罰金を科すことが可能になるという。
NSW州の与党保守連合は10年10月の選挙の際に、クラブ団体との間で覚書を締結し、飲食などのサービスが提供される屋外については禁煙の導入を延期する方針を示していた。スキナー保健相は21日に、「選挙時の合意に基づき、15年まで導入を遅らせる」と説明した。
しかし、シドニー大の公衆衛生学部のチャップマン教授はこれについて、「覚書に法的な拘束力はない。政府がリーダーシップを発揮しようと思えば、変更もできたはず」と述べ、クラブ業界からの政治献金が影響しているとの見方を示した。
なお、スキナー保健相によれば、たばこを原因とする死亡数は州内で年間5,000人を上回り、入院患者数は4万4,000人に達しているという。同保健相は、政府による医療負担額が80億豪ドル(約6,809億円)に上っていると述べ、「喫煙によるコストが納税者に大きな負担となっており、受け入れがたい状況」と指摘した。