マレーシア  2012/09/06(木曜日)
タンチョンが生産増強、日産新モデルを年内発売[車両]

日産車の組み立て・販売を手掛ける華人系財閥タンチョン・グループは5日、スランゴール州北部のスレンダ工場の生産能力を増強すると発表した。最新の設備を導入するなどして年産能力を現在の約3万台から2倍以上となる約6万8,000台に増やす。投資額は1,500万リンギ(約3億7,000万円)。年内に発売予定の量産型新モデルの生産を開始する。日系勢ではトヨタやホンダも能力増強に動いており、競合車種が複数ある3社の市場競争が激しくなりそうだ。

タンチョン・グループ傘下の生産タンチョン・モーター・アッセンブリーズ(TCMA)が持つ工場の能力を増強する。同工場の面積は47.32エーカー(約19万1,000平方メートル)で、建屋の延べ床面積は約8万9,000平方メートル。余った土地を活用して倉庫部分を増床するほか、最新の溶接ロボットを導入して生産効率を高める。能力増強に合わせ、従業員数を現在の1,575人から320人増やす。全体の能力増強作業は2014年の完成を見込む。

スレンダ工場では新たに世界戦略車種の小型セダン「アルメーラ」(旧サニー)を生産する。同モデルはマレーシアの新車市場全体の約3割に当たる約19万台を占めるBセグメント(小型・コンパクト)で、販売増が見込めるため現地組み立てに乗り出す。価格は7万〜8万5,000リンギになる見通し。

5日に記者会見したアン・ボンベン取締役執行役員は「アルメーラは日産の量販車種。タンチョンの年間販売台数に3割上乗せすることを見込んでいる」と述べた。タンチョンは昨年、日産車を約3万2,000台販売。工場の生産能力が上限に近づいていた。

ただ、アルメーラの販売が堅調に伸びるかは未知数。量販小型セダンでは、すでにマレーシアで認知度が高いトヨタの「ヴィオス」やホンダの「シティ」が競合車種になるからだ。ホンダは今年7月、マラッカ工場に第2ラインを新設すると発表。トヨタも昨年、シャアラム工場の生産能力を増強する計画を明らかにしており、両社の供給能力が上がれば、顧客獲得競争が一段と激しくなる可能性がある。

タンチョンのスレンダ工場では1つの生産ラインで複数のモデルが製造できる混合生産方式を採用している。現在は小型セダン「ラティオ」や中型セダン「ティアナ」、クロスオーバー型車「リヴィナXギア」など6モデルを生産。能力増強後はこれまで以上に車種の需要に応じて各モデルの生産を調整することができるようになる。

タンチョンはこのほか、クアラルンプール市内の北部スガンブットでスポーツカーやトラックなどの商用車を生産している。直近ではスランゴール州シャアラムに新たな土地を購入。第3工場を建てる計画だ。



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