EU
EC、乗用車にデータレコーダー搭載を提言[経済]

欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会(EC)はこのほど、乗用車にも航空機に装着されているようなブラックボックスを搭載すべきとの調査報告書をまとめた。しかし、英国内では市民団体が個人のプライバシーを侵害する恐れがあり、国民に対する国の監視を強化しかねないとの懸念がある、と英紙サンデーテレグラフは1日付(電子版)で伝えている。

このブラックボックスは、イベントデータレコーダー(EDR)と呼ばれる交通事故自動記録装置で、ドライバーがいつ、どのくらいの頻度でブレーキやウィンカー、クラクションを使ったかが記録されるもので、今回、ECは240万ユーロ(3億1,900万円)の予算をかけて、「プロジェクト・べロニカ」と呼ばれる、EDRの有効性調査を実施した。

EDRの支持者は、事故時に何が起きたかを再現することにより、保険会社が誰に過失があったかを断定することが可能になるほか、必要な場合には、車の運転者に対し、警察が適切な行動を取ることが可能になると指摘する。また、乗用車に装備されている安全装置が正しく機能していたかどうかの確認もできるという。

しかし、市民団体は国の監視強化につながるとして懸念を示す。英国のプライバシー・インターナショナルでは、こうした自動車追尾データと携帯電話データを一緒に使うとドライバーのあらゆる行動をほぼ完璧に監視することが可能になると指摘する。

これに対し、ECの調査レポートでは、「匿名のデータが裁判で使われるのはごく限定的になる」とし、「その場合でも個人のプライバシーが公衆の秩序や犯罪調査よりも優先されるべきという正当な理由はないだろう」と反論している。

EDRは、急ブレーキのような乗用車のスピードが突然変化したときに記録されるほか、衝突事故が発生した時刻の30秒前から衝突後の15秒後までの間の車の状況が記録されるという。その結果、裁判所の審理の短縮化や裁判費用の節約、さらには有効な危険防止に寄与するとしている。

現在、こうしたブラックボックスの装着は、英国ではロンドン警視庁の警察車両の3,500台などに限られているが、EUの広報担当者はこのボックスが装着されるかどうか、あるいは、どのように装着されるかはEU加盟各国政府の判断に委ねられるとし、義務化したり、強制したりするものではないとしている。

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