ドイツ
オウトクンプと事業統合も:ティッセンクルップ、需要後退で[鉄鋼]

鉄鋼・エンジニアリング大手ティッセンクルップが、フィンランドのステンレス鋼大手オウトクンプ(Outokumpu)とステンレス鋼事業の統合に向けて予備交渉を行った。オウトクンプが23日明らかにした。景気に左右にされやすいこの分野では、多くの主要鉄鋼メーカーが事業の見直しを余儀なくされている。

ティッセンクルップは、債務圧縮に向け100億ユーロ相当の非中核資産を売却する計画。ステンレス鋼事業の売却もその一環として進められている。

同社は昨年10月、ステンレス鋼事業の名称を「ステンレス・グローバル」から「イノクサム(Inoxum)」に変更。この措置は分社化または売却への布石とみられていた。改称に伴う法律および運営上の手続きは9月末に完了しており、2010/11年度の決算では非継続事業として扱われている。

オウトクンプの発表に先立ち、ティッセンクルップは同事業の今後について、新規株式公開(IPO)か分社化、もしくは売却の3つの選択肢を検討していると明らかにしていた。ティッセンは、イノクサムを独立させることが「戦略的な展開の中で、重要な一歩」とコメントしている。

他の鉄鋼メーカーでは、世界最大手アルセロール・ミタル(ルクセンブルク)が昨年、やはりステンレス鋼事業のアペラム(Aperam)をIPOを通じて分社化している。

■当面はブラジルから撤退せず

ティッセンクルップは20日、難航しているブラジルでの製鉄プラント新設について、当面はこの計画を取りやめない考えを明らかにした。工事の遅延に伴って発生した20億ユーロ超の特別損失をめぐり、株主から批判を浴びたことを受けたもの。フィナンシャルタイムズが伝えた。

ハインリッヒ・ヒーシンガー最高経営責任者(CEO)は就任後初の株主総会に臨み、ブラジル事業で生じた損失を即座には補てんできないことを認めた。景気に左右されない事業への投資による業績の建て直しを目指しているが、この計画が軌道に乗っていないとしている。

一方、ハンデルスブラットのインタビューに応じたエッケハルト・シュルツ前CEOは、工場新設計画に絡み「重大な過ち」を犯したと認めており、その責任を取ったと明らかにした。同氏は先月、取締役会から退いている。

ブラジルのプラント新設費用がかさんだことを受け、ティッセンクルップの2011年9月期決算は純損失が17億8,300万ユーロとなり、1年前の9億2,700万ユーロの黒字から赤字に転落した。

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